SEMで地域ビジネス活性化を応援するため、リスティング広告とその周辺領域についてお伝えしていきます。

運用型広告におけるアトリビューションとの向き合い方を考える

運用型広告の代行という仕事に携わっていると、大なり小なり様々な広告主とお話をする機会があるのですが、稀にこのような質問を受けることがあります。

「御社ではアトリビューションを見て運用や提案をしてくれますか?」

ここで言うアトリビューションとはチャネル間(オーガニック、純広告、メルマガ、リスティング、Criteo、DSP、Facebookなど)の間接効果の意味を指すことが多く、リスティング広告だけではなく複数の媒体で様々な広告を出稿されている場合に於いて特によく質問を受けます。

運用型広告の運用者としてこのアトリビューションとどう向き合っていくか考察してみます。

※本文におけるアトリビューションとはチャネル間の分析(クロスチャンネル)の意として話を進めます

Google アナリティクスがアトリビューション分析の扉を1つ開けた

日本で言うアトリビューションの盛り上がりの始祖ってなんだろうなぁって考えたとき、最初はロックオンさんのアドエビスで2010年に機能実装だったかなと記憶してまして、2013年にGoogle アナリティクスでもマルチチャネルが見れるようになって、アトリビューションとかマルチチャネルという言葉が一気に広がったかなという記憶です。間違っていたらすみません。

恐らくGoogle アナリティクスをメインに利用されている方が多いと思うので、Google アナリティクスを中心に考えてみますと、Google アナリティクスでは様々なチャネルのデータを集約し、かつCookieベースで行動を記録するため、どのチャネルに接触してコンバージョンしたかということまで分かるようになっています。例えば、オーガニックで流入してリスティング広告をクリックしてCriteoをクリックしてコンバージョンと言ったように。

これによって、どのチャネルがゴールに導いたか、どのチャネルを経由してコンバージョンに至ったかの評価がしやすくなりました。となると、良いか悪いかは別として、成果の良いチャネルの予算は増やして、成果の悪いチャネルの予算は減らしたくなるというのは誰でも思いますよね。

アトリビューション分析と広告の自動入札

つぎに、アトリビューション分析の結果をいかに運用型広告の運用に反映するか、つまり予算のポートフォリオをどう変更するかについて考えてみます。

運用型広告は基本的に人の手で入札を行うのですが、大抵、それぞれのプラットフォームごとに自動入札機能を兼ね備えております。ちょっと前まではその入札精度は高くはなかったのですが、最近は人の運用が自動化の運用に負けるケースが増えてきています。現時点で全て自動化すべきとは思いませんが、近い将来にはほとんどのキャンペーンの入札作業を自動化できるくらいになるだろうなと感じています。特にアカウントの規模が大きい広告主の場合は、調整すべきツマミが多くなりがちなので、いずれは自動化に頼らざるを得なくなります。

運用型広告の入札の自動化が進むのは間違いないのですが、そこの計算に使われるデータの量や質もプラットフォームによってまちまち。と、いうのが現在の状況で、すべての広告プラットフォームのデータをやGoogle アナリティクスなどのツールで計測したデータをもとにして、すべて串刺しにして調整する自動入札ツールというのは僕の記憶ではパッケージとしては存在していません。つまり、プラットフォームの中の世界だけ見れば自動入札の精度が上がってきているものの、ほとんどのケースにおいて、アトリビューションを加味して調整するにはプラットフォーム側の自動入札機能を無視して人および3rdパーティの自動入札ツール(対応しているプラットフォームのみ対象にする)が手を入れるほかありません。

また、この自動入札機能の精度を最大限に高めるためには、どれだけたくさんの情報をインプットし続けられるかというのが大変重要になってきます。つまり広告のインプレッションが貯まれば貯まるほど、クリック数やコンバージョン数も貯まるので予測の精度は高めやすいのですが、これが予算のポートフォリオの組み方によって広告掲載が抑制されてしまっていると、貯めるべきデータもたまらなくなってしまいます。

現在は人が手を動かすことがほとんどなので、ポートフォリオに変更によって生ずる自動入札への影響はあまりないと思いますが、将来に自動化が進んだ(もう一部ではそうなっていると思いますが)場合においては、広告費を固定費と捉えず変動費として考えておかないと、限られた予算の中でのポートフォリオ変更によって生ずる機械学習の機会損失によって、予算以外の変更をしていないのに成果が下がったなんてことが起きかねません。

まとめ

だらだら書いてしまいましたが、ここまでのことをまとめると次のような感じになります。

  • アトリビューション分析はテクノロジーの発展とともに細かくできるようになってきた
  • 広告プラットフォームの自動入札機能が高精度・高機能化、人の入札よりも成果が出るケースが増えてきている
  • すべての広告プラットフォームをつなぎ、アトリビューションを加味した自動入札ツールは、パッケージとしてはまだ無い(はず)
  • アトリビューション分析の結果を細かく反映しようとすると、プラットフォームごとの自動入札を無視せざるを得ない
  • 限られた予算の中でのアトリビューションに基づく予算変更は、広告表示の機会損失による自動入札の精度を下げる危険性もはらむ

つまり、アトリビューション分析を行ったり、参考にするのは大いに良いと思うのですが、それをそのまま運用型広告の運用に適用しようとすると、手間もかかるし成果も出にくそうです。現時点では。

また1広告プラットフォームつをとっても、その中では新規ユーザー獲得、ロイヤルカスタマー向け配信、非ロイヤルカスタマー向けリターゲティングなど、戦術や配信方法は様々とることができます。見るなら本当に細かく見ないといけないので、とても大変になるだろうなと思います。

最後に

アトリビューション分析としてはクロスチャンネルやクロスデバイスなど加味した分析ができるようになってきましたが、ではそれをそのまま広告運用に活かせるかと言うと、まだまだ考慮すべき点がたくさんあって難しいかなというのが所感です。これを実現しようとすると、管理画面に人が張り付いている必要も出てくるという前時代的な運用に逆戻りとなってしまう恐れがあるので、これにこだわり過ぎずあくまでも広告運用の参考にするくらいが良いのではないでしょうか。

また、CriteoやGoogle AdWordsの動的リマーケティング、Facebook広告のプロダクト広告のように、広告への入札だけではなく、タグやデータフィードの調整で大きく成果が左右される広告プロダクトもあるので、まずはプラットフォームごとに突き詰めたほうが良さそうということも付け加えておきます。

ビジネスのゴールは売上や利益なので、広告から発生した売上と広告費からROASを算出し、結果として全体でどうだったかという部分を見ていくほうが健全な運用になりやすいかなと。細かい部分まで分析するのもよいのですが、調整するにはそれ以上に考慮すべき変数やプラットフォーム内のブラックボックスが多くなることがほとんどなので、大体のケースで再現できなかったり仮説が当たりにくいんじゃないかなと個人的には思います。。。

今のところはアトリビューションを参考にしつつ、各チャネルのラストクリック評価における目標値を設定し、プラットフォーム内で出来るだけ高いの成果を出せるように調整し、売上の最大化を目指すのが良いのではないでしょうか。

持ちうるすべてのデータをもとに最適な入札をAPIで行ってくれるシステムが簡単に手に入る未来になるといいですね。

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