SEMで地域ビジネス活性化を応援するため、リスティング広告とその周辺領域についてお伝えしていきます。

リマーケティング広告がiPhone、iPadに表示されない2つの理由(2/2)

《2013/06/08追記》
iPhone、iPadでも特定条件下でリマーケティングが配信されることを確認しました。
詳細はこちらから → https://sem-insight.com/2013/06/08/147/

前回のポストで、iPhone・iPadにリマーケティング広告が配信されない2つの理由と、実はSafariのWindows版やMac版でもリマーケティングが表示されなかったという理由について、検証を行いました。

その結果、前回導き出した、リマーケティング広告がiPhone・iPadで表示されない理由は次です。

 

理由1. SafariはOSや端末を問わず、Cookieの受け入れについては、デフォルトの設定により訪問先以外(本件ではDoubleClick.net)で発行されたCookieはブラウザに保持されない

理由2.しかし、全てのCookieをSafari側で受け入れ、保持する設定にしても、DoubleClick.netのCookieはなぜかSafari側では保持がされない

ここで、理由2に関して1つの疑問が浮かびました。

「DoubleClick.netからのCookieは、Safariというアプリの裏側で自動的にブロックでもしているのか?」

検証しました。

Windows版Safariでは、開発メニューというものが存在し、UserAgent(以下、UAと表記)を変更することで、訪問先サーバーに対して、Safariというブラウザアプリから閲覧しているにもかかわらず、FirefoxやIEなど他のブラウザとして挙動を振る舞うという、一種の偽装的なことができます。

それを踏まえて、先ほどの疑問に対して検証しました。

【検証7】
Safariというアプリケーション自体がDoubleClick.netのCookieをブロックするのであれば、UAをFirefoxやIEにしてもブロックをするのではないか

UAをFirefox、IEにした後に、リマーケティングタグを読み込ませたところ、DoubleClick.netのCookieがSafari側に保持され、Safariでもリマーケティング広告が表示されるようになりました。

さらに、こんな検証もしてみました。

【検証8】
iPhone・iPadのSafariと同じUAにした場合もDoubleClick.netのCookieは保持されないのではないか

これは、iPhoneでは保持しているCookieがどこから発行されている物なのかが分からないためです。UAがiPhone・iPadのSafariと同じ時に、DoubleClick.netのCookieは保持されるか確かめる必要がありました。

iPhone・iPadと同じUAにした場合、Safari側でDoubleClick.netのCookieは保持されないことが確認できました。

【検証7】【結果8】から導き出せる結論としては、

  • Safariというアプリケーション側では、勝手にCookieの保持に関する判断はしていない
  • ただし、UAがSafariの場合は、Cookieをすべて受け入れる設定でも、DoubleClick.netのCookieは保持されない
  • そのため、OSがWindowsだろうがMacだろうが、端末がPCだろうがスマートフォンだろうが、Safariを使っている以上は、そのユーザーにリマーケティング広告は表示されない。
    これはこれは不思議な事象です。

この事象を調べていくうちに、こんな記事(http://d.hatena.ne.jp/mala/20120220/1329751480)を発見しました。

記事はかなり長文なので、必要な部分だけ抜き出すと、

doubleclick.netがそもそもSafariに対してset-cookieを発行しなくなった(UserAgentで判別)

なぜ、この様な背景になったのか、その記事を読んでいただくとして、UAがSafariとなっているブラウザのリクエストに対して、DoubleClick.netはCookieを発行しなくなったという、DoubleClick.net側の都合のようです。本件に関しては正確なソースが私には提示できませんが、これまでの検証結果を踏まえるとほぼ間違い無いと思います。

つまり、iPhone・iPad・Windows版(実機がないので検証しきれていませんがMac版も同様だと考えます)Safariで、リマーケティング広告が表示されない理由は次になると言えます。

 

理由1.
SafariはOSや端末を問わず、Cookieの受け入れについては、デフォルトの設定により訪問先以外(本件ではDoubleClick.net)で発行されたCookieはブラウザに保持されない

理由2.
UserAgentがSafariであるブラウザ(OSや端末などを問わず)から、DoubleClick.net側にCookieの発行リクエストを行なっても、DoubleClick.netからはCookieが発行されない

 

色々検証を行って来ましたが、理由から見るに、Safariユーザーへのリマーケティング広告によるリーチは、今のところ99.9%不可能と考えたほうが良いでしょうね。

ちなみに、インタレストカテゴリによる広告配信も、リマーケティング広告同様に、DoubleClick.netによるCookieを利用しているため、こちらも配信がされないという影響があると考えられます。

ただし、SafariユーザーでもAds Preferences Managerから、広告のオプトインを行えば、これらインタレストベース広告は表示がされるようです。が、自らオプトインを行う方はいないでしょうね…。

最後に…

日本でのSafariユーザーが大体7%、スマートフォンシェアの35%がiPhoneユーザーであることを考えると(この2つの数字は連動しているわけではないのですが)、リマーケティングによってリーチができないユーザー数は結構なものになりますね。

ちなみに、「検索連動型広告でもSafariを使うとCookieが付与や保持がされないのでは?」と考える方もいるかも知れませんが、検索連動型広告ではGoogle AdWordsのサーバーを一旦経由してから、設定されたランディングページに遷移する流れになります。コンバージョントラッキングに必要なCookieはGoogle AdWordsのサーバーを経由するときに、訪問先であるGoogleからのCookieとしてSafari側が保持しますので、コンバージョントラッキングは正しく動作します。ご安心を。

※この記事は、2012/05/18時点での検証結果をもとに執筆しております。

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コメント

    • noel
    • 2012年 5月 23日

    詳しい検証凄いですね。
    この問題で不思議なのは米国で問題になってないのはなぜ?
    もしかして日本のサファリだけで起こる問題?
    当然米国でも起こる現象ならニュースになると思いますが。
    それとも
    Google、Safari のプライバシー機能を迂回して Cookie をセット、トラッキングに利用
    の問題に関係しているのでしょうか?

    • SEM Insight
    • 2012年 5月 24日

    noelさん

    コメントありがとうございます。

    >この問題で不思議なのは米国で問題になってないのはなぜ?

    外国圏の反応までちゃんと追えていないので主観になりますが、
    今回のような事象が発生しているという認識があまりないのかもしれません。

    理由としては、
    ・Safariはデフォルトで訪問先のCookieしか保持せず、そもそもリマーケティングはほとんど配信されないと割りきってしまっている
    ・管理画面の数値には(Androidなどの)実績が反映されているので、問題が発生していると気づきにくい
    ・ここまで検証がされていないので問題として広まっていない

    ということが主ではないかと考えます。

    >もしかして日本のサファリだけで起こる問題?

    検証する必要がありますが、UAを見て判断しているようですので、
    日本だけではない可能性が高いと考えられます。

    >Google、Safari のプライバシー機能を迂回して Cookie をセット、トラッキングに利用の問題に関係しているのでしょうか?

    ソースが提示できないので推測になりますが、3/1のプライバシーポリシー改定の件も含め、何らかの関係はあるのではないかと思います。

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