ペット関連の画像検索結果に表示されるショッピング広告がなかなかに凄惨だった話

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ペット系の画像検索で、目をそらしたくなるようなショッピング広告が表示される

ショッピング広告に関する情報収集のため、Twitterなど定期的に検索しているのですが、最近気になる投稿が。

https://twitter.com/dgrttcmwbmptiva/status/1288492381789011969

昨年は特に成人向けの広告が頻繁に出てしまうケースなどもありましたが、今回はまた違ったお悩みが…。

モバイルの画像検索などでペットとして飼われているような動物を検索すると、検索結果の上段に表示されるショッピング広告の中に、見るも生々しいペットフードが表示されるというもの。

実際に画像検索をしてみると…

実際に検索してみました。

「オカメインコ」のGoogle 画像検索結果(ゲストモード)
「ジャンガリアンハムスター」のGoogle 画像検索結果(ゲストモード)

キャプチャはモザイクで隠していますが、検索結果の上部に差し込まれるにはなかなか見るに堪えない感じの商品画像になっています。不意打ちされるのでメンタルにきやすいやつですね…。

すべての動物の名前でこういった結果になるわけではなく、ハムスターやデグーといった小動物系、文鳥やインコなどの小鳥系、イグアナなどの爬虫類系の画像検索をするとよく表示されるようでした。

ちなみに、オカメインコのモザイクは食用のキジ肉(人間が食べる用です)、ジャンガリアンハムスターのモザイクは爬虫類向け冷凍の親ウズラです。検索キーワードによっては結構ショッキングな商品画像も出ますがここでは言及をあえて避けておきます…。

気になるのは、これらの検索キーワードに対して餌の商品広告が表示されるのは理解できるのですが、オカメインコの餌といえば植物の種やペレット類、ジャンガリアンハムスターもペレット類が主になるので、キーワードとこれらの商品とは関係がありません。

なぜ表示されるのか

残念ながら、外から見ただけでは分かりません…。

ただ、恐らく商品フィードのこの部分の設定がうまくできていないんだろうな…という点はあります。それは、google_product_category 属性です。

この属性はGoogleがその商品がどのようなものであるかを認識するために利用されるのですが、販売者側がこの情報の登録を怠ると、Googleが自動的にカテゴリを割り当てます。

ちなみに、ペットフードに関するカテゴリは下記6つの設定があります。

5015ペット・ペット用品ペット用品小動物用品小動物用フード
5026ペット・ペット用品ペット用品爬虫類・両生類用品爬虫類・両生類用フード
3530ペット・ペット用品ペット用品犬用品ドッグフード
3367ペット・ペット用品ペット用品猫用品キャットフード
5024ペット・ペット用品ペット用品観賞魚用品観賞魚用フード
4990ペット・ペット用品ペット用品鳥用品鳥用フード
Google 商品カテゴリ の一部(行:カテゴリ、列:カテゴリの階層)

ペットフードであればだいたいこの中に収まります。正しく設定されていれば、オカメインコでキジ鍋用のキジ肉が表示されることはありませんし、ジャンガリアンハムスターで爬虫類用の親ウズラが表示されることは無いはずです。

恐らく販売者側が google_product_category 属性を正しく設定できていないために、Google 側が自動で商品フィードの内容から自動的にカテゴリを割り当てたものの、商品フィードの情報不足によって誤ったカテゴリが割り当てられてしまったのではないかなと考えます。

特に今回のケース、販売元が巨大なECモールであるがゆえ、販売元側でも商品フィードのコントロールまで手が届かない状況になっているというのが要因の1つ。

もう1つの要因としては、google_product_category 属性を自動的に付与する仕様になったため、適切なカテゴリが付与されないケースが出てきてしまったということです。

以前はGoogleが自動的に割り当てる仕組みではなかったため、この属性が設定されていなければ商品データの品質が低くなり、広告が表示されにくかっただけでした。しかし、自動的に割り当てられることによって、ある程度商品データの品質が確保されてしまい、広告として表示されやすくなっているのかな…というのが僕なりの仮説です。

ペットフードを広告として表示することに対してはポリシー上問題ない

このケースでは商品自体は問題がなく、画像自体はポリシーに適合しているので、キーワードに対する関連性に対しては甚だ疑問はありますが、使用されている画像としてポリシー上では問題はありません。

ポリシー上では動物への残虐行為というポリシーは存在するものの、あくまでも動物に対して残虐行為や暴力を助長するコンテンツや絶滅危惧種の保護観点であり、ペットフード自体は動物への残虐行為を助長するものではないということになりそうです。

動物への残虐行為

動物への残虐行為や不当な暴力を助長するコンテンツ
例: 闘鶏や闘犬など娯楽目的で動物への残虐性を煽ること

絶滅危惧種の取引と見なされる可能性のある商品
例: サメのヒレやサメの軟骨を使った栄養補助剤、象牙、トラの皮、サイの角、イルカ油、エルクホーン サンゴ、これらの材料を含む商品の販売

不適切なコンテンツ – Google Merchant Center ヘルプ

ペットフードとなった動物への残虐行為ではないかとも考えられますが、我々人間が牛や豚を食し、それらのお肉が広告として表示されることと同じなので、残虐行為には当たらないということなのかもしれません。

表示される商品画像に問題はありそうですが、image_link 属性を使って表示する商品画像は、商品全体を正確に表示し、演出は最低限または一切含まれないようにするというガイドラインに沿っているため、それ自体に問題はないという…。

この問題を改善するには販売者側がきっちりと商品フィードを修正するか、Google側でカテゴリ割り当て精度を改善してもらい、検索キーワードと商品のマッチング精度を高めてもらうしかないような…。

それ以前に title 属性に関して使用してはいけない宣伝文の使用があるので、そもそも表示されてはいけない広告なのですが、これは今回の問題とはまた別なので、ここでの言及はやめておきます。

検索キーワードと広告のミスマッチを防ぐには

こういった検索キーワードとショッピング広告のミスマッチを防ぐためには、広告として表示されるテキストだけではなく、見えない部分の属性をきっちり入力することがすごく重要です。

ショッピング広告の成果を伸ばす方法として、title 属性description 属性の修正を繰り返して購入数や広告費用対効果の最大化を目指すという点がフィーチャーされがちですが、これには隠れた前提があります。

それは、google_product_category 属性gtin 属性などの固有商品ID、バリエーション属性などの商品情報はきちんと設定してあるという前提です。この前提が守られていなければ、今回の例のようにそもそも検索キーワードと広告のミスマッチが起きる可能性があるわけで、その状態のまま広告で表示される部分のテキストを変えても意味をなしません。多少の改善はありかもしれませんが。

ショッピング広告を実施する場合、商品フィードの情報はできるだけ多く正確に設定してあげましょう。キーワードと商品のミスマッチも防げますし、広告効果も最大化させてあげやすくなります。

ショッピング広告、なぜかうまく表示されないな…うまくいかないな…という場合は、まず商品フィードに抜け漏れや間違いがないか確認してみましょう。