Google 広告でビジネスオペレーションの適格性確認が日本でも始まります

前回投稿した記事では、詐欺まがいの手法をとっていると思われる広告主の広告をGoogleに報告する方法について説明しました。

広告の報告方法をブログで説明しないといけない状況になるくらい、引き続きGoogle 広告のコミュニティには改善を要望する声が届いておりますが、Googleも指をくわえて静観している訳ではありません。

参考:Stopping bad ads to protect users
https://blog.google/products/ads/stopping-bad-ads-to-protect-users/

世界全体での数値になりますが、2019年には27億もの広告(1分の間に5,000個)を不承認、100万ものアカウントを停止としてきており、ユーザーを保護するために多大なリソースを割いて、悪意のある広告の停止を続けてきています。

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日本を除く一部の国では、事業運営の確認プログラムが開始

悪意のある広告からユーザーを守る方法のひとつとして、2020年の3月より日本を除く一部の国において事業運営の確認プログラムが開始されていました。

参考:新しい事業運営確認プログラム(2020 年 3 月) – Google 広告ポリシー ヘルプ
https://support.google.com/adspolicy/answer/9716673?hl=ja

これにより、Googleによって事業運営の確認が必要とされた場合、確認プログラムが完了するまで広告の配信が制限されることになります。

これまでも、選挙広告やギャンブル、ヘルスケア、チケット販売など特定のジャンルでは確認プログラムが存在していましたが、このタイミングで広告主の身元確認や、ビジネスオペレーションの確認プログラムが追加されておりました。

2021年1月25日より、日本でもビジネスオペレーションの適格性確認プログラムが適用される

ひっそりとですが、2020年11月にGoogle 広告ポリシーの更新のお知らせページにて、事業運営の確認の一環として、2021年1月25日付でビジネスオペレーションの適格性確認プログラムが開始されることがアナウンスされました。

参考:ビジネス オペレーションの適格性確認のためのアカウント一時停止措置のグローバル リリース(2020 年 11 月) – Google 広告ポリシー ヘルプ
https://support.google.com/adspolicy/answer/10217106?hl=ja

Googleによってビジネスオペレーションの適格性確認が必要と判断された場合は、直ちに広告アカウントが停止され、確認プログラムが完了するまでは広告の配信が止まるようになります。

ビジネスオペレーションの適格性確認が必要とされるのはごく僅かな広告主

そもそもビジネスオペレーションの適格性確認が必要と判断されるのはどのようなケースなのでしょうか。Google 広告ヘルプによれば下記のように明記されています。

お客様のビジネスについて詳しく伺うため、ビジネス オペレーションに関する情報の適格性確認をお願いする場合があります。具体的には、ビジネスモデル、企業登録情報、提供するサービスの種類、ビジネス手法、宣伝の対象とするブランドや第三者との関係性(該当する場合)など、ビジネスに関する詳細情報が含まれます。

ビジネス オペレーションの適格性確認に関する広告主の選定基準

ビジネス オペレーションの適格性確認対象に選ばれる可能性があるのは、たとえば、その広告活動が不明瞭だと認定されたり、広告コンテンツが誤解を招く可能性があると判断されたりした広告主様です。この確認手続きは、Google 広告で宣伝されている商品やサービスの提供者をユーザーが把握できるようにするためのものです。

適格性の確認について – Google 広告ポリシー ヘルプ
https://support.google.com/adspolicy/answer/9703665?hl=ja#901

あまり具体的なことを記載してしまうと、それをハックする広告主が出てくることを想定して、かなり幅をもたせた記述となっています。

ですので、これは個人的な想像の範囲ではありますが、例えばWebサイトに特定商取引法表示がなかったり、運営者情報がテキストではなく画像だけだったり、ブランド品が中古品でないにもかかわらず不当に安く表示しているようなECサイトなどが対象になるのではないかと考えています。

いわゆる偽造品、模倣品販売、または購入したのに商品を発送しないといった詐欺まがいのサイトたちなどがこれに当たるものかと想像します。

ですので、ほとんどの広告主にとっては対象となりませんので、このポリシー変更に対して恐れることはありません。

やっと重い腰をあげたGoogle

日本では、Yahoo!広告で以前からアカウント開設時に審査が行われ、必要に応じで本人確認が必要となっています。これによって、ビジネスが不透明な広告主からの広告が表示されるということは基本的にはありません。

参考:本人確認について – ヘルプ – Yahoo!広告
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/ss/articledetail?lan=ja&aid=22781&o=default

なので、個人としてはGoogleもやっと重い腰を上げてくれたか…、というのが正直な感想です。

とはいえ、Yahoo!広告とは異なり、Google 広告のアカウントが開設されたあとに適格性確認が入ることになると思いますので、多少なり広告が表示されてしまう危険性はまだあります。

防波堤として事前に悪質な広告の掲載を防ぎきることはできないものとは思いますが、これまで野放しになっていた悪質な広告の掲載を、ある程度防げるようになることは大きな前進だと思います。

今回のポリシー変更は悪質なビジネスと判断された広告主が対象となりますが、卑猥なYouTube 動画広告も掲載する広告主に対しても、厳し目に見てもらえるように早くならないかな…と思う今日このごろです。